中学生に寝取られた_10

ドアの開閉する音に、朱美は浅い眠りを覚まされた。邦夫が洗面器とタオル、ミネラルウォーターを手に立っている。
「……あ、ごめんなさい。いつの間にか寝ちゃったわ」
 朱美たちは睦み合ったまま寝てしまったのだ。すでに日付は変わり、カーテン越しにも日の出が近いことがわかる。
 洗面器を置いた邦夫は、Tシャツとトランクスを脱ぎながらぼそりと言った。
「雄太が九回で、康二が十一回だ」
「え?」
「あいつらがいった回数だよ。で、あんたは七、八回ってとこか? 演技でなきゃな」
「か、数えてたの?」
「ああ、ずっと見てた。結局、成功しなかったな」
「ええ、三人同時は難しいわ……」
「それとそうと、ザーメン臭いぞ。さっさと洗えよ」
 邦夫は面倒臭そうに言って、いすに腰かけた。
「え? あ、ありがとう……」
 朱美はベッドから降りて、荒淫の跡も生々しい体を拭き清め始めた。濡れタオルで腕や脚を拭うふりをしながら、こっそり膣や直腸に指を入れて、中にこびりついた精液を掻き出す。
「く、邦夫くん。どうして四人一緒にこだわるの?」
「別にこだわってるわけじゃないさ。ただ面白そうだし、想い出にもなるし……」
「想い出? 夏休みの? それとも中学時代の?」
「うーん、ちょっと違うな。まあ、あいつらと一緒に遊んだっていう想い出かな、たぶん」
「そう、わかるような気がするわ。友達って大事だものね」
 相槌を打たれたことが気恥ずかしいのか、邦夫はぶっきらぼうに立ち上がった。
「それ、捨ててくるから、うがいもしとけ」
「あ、はい」
 そのためのミネラルウォーターだったのだ。朱美は口をすすぎながら、淫鬼の意外な一面に感心していた。
 忍び足で出て行った邦夫が忍び足で戻ってきた。
「あんた、疲れてるだろ?」
「さすがに……ちょっとね」
 熟睡している雄太たちにタオルケットをかけていた朱美がはにかむ。
「4Pは明け方にするから、それまで寝てていいぞ」
「この時間なら起きていた方がいいわ。それに邦夫くんの練習がまだだし……」
「お、おれはいいよ。雄太たちと違って、ただのフェラチオだし……」
「じゃあ、練習抜きってことでどう? いまなら二人きりよ。こっそりやりましょうか?」
「な、なんだよ、やけに絡むな……。おだててもなにも出ねえぞ」
「だって邦夫くん、お風呂を出てからら全然じゃない。もう、おばさんとやるのは飽きちゃった?」
 朱美が嫣然と笑う。画策など微塵もない、心からの笑顔だった。
「そ、そんなことないけど……。あ、でも、本当はやり過ぎで痛いんだろ? やっぱり、明け方まで休んでろよ」
「えーっとね、前の方は平気なの。伊達に人妻を十年もやってないわよ。ね、だから……」
 脚をやや開き気味にして立つ朱美は生々しい肉の塑像だった。仄白い肌の下では荒淫の気だるさと情欲の火照りが拮抗しているのだろう。そんな柔肉の危うさを見ていると、無性にしがみつきたくなる。
「しょうがねえなあ……」
 そう言いつつ邦夫は立ち上がったが、本当は二人きりになる機会を窺っていたのだ。あえて3Pに混ざらなかったのも、わざと物音を立てて朱美を起こしたのも、差しでじっくり抱き合いたかったからに他ならない。
 二人は毛布を床に敷いてベッドの代りにした。雄太たちに対する気後れから、照明を補助灯に落とす。途端に密会じみた雰囲気になり、どちらともなく笑いがこぼれた。二人は立ったまま抱き合った。
「なあ、ちゃんと教えてくれないか、セックス……」
「もう教えることなんてないわ」
「お、女が喜ぶセックスだよ」
「あら、わたしは彼女の実験台?」
「そ、そんなんじゃないよ。あんたが気持ちいいと、多分、おれも気持ちいいと思うから……」
「ふふ、それがわかっていれば十分よ」
 二人は再び抱き締め合い、朱美のリードで毛布の上に横たわった。朱美が下になり、邦夫の首に腕を絡ませる。
「……あのね、激しいセックスもいいけど、その前に必ずムードを盛り上げなければならないの。前戯をきちんとして、言葉も交わして……。後はそうね、例えばじらしたりとか」
「あー、なかなか入れなかったりする、あれか?」
「それもあるけど、例えばおっぱいを触るにしても、いきなり揉んだりしないで、周りを指でなぞったり、そっと押したり、さすったりとか……。そきときは小さな刺激から始めるの。ね、ちょっとやってみて」
 朱美は邦夫の手を取り、薄い歯形や淡いキスマークの残る乳房に導いた。邦夫はこのときばかりは神妙な顔になり、乳房の裾野をそっとなぞってみた。
「こ、こんな感じか?」
「そう、いいわよ。これはね、いろいろ応用が効くからよく覚えててね。女はね、なにもあそこだけが性感帯じゃないのよ」
「ふーん。で、順番はあるのか?」
「特にないわ。でも、あそこから遠いところから始めて、徐々に近づくようにするといいかも……。ま、これはわたしの好みだけどね」
「じゃあ、ちょっとやってみるけど……笑うなよ」
「笑わないわよ。真剣な人、わたしは好きよ」
 邦夫の鼻息が荒くなった。
「こ、子供扱いするな。いいか、あんたはおれ専用のセックス奴隷なんだぜ」
 朱美は首をすくめて見せる。
「そうね、ごめんなさい。じゃあ、あなた専用のセックス奴隷をちゃんと歓ばせてね。言っとくけど、演技はしないわよ」
「わ、わかってるって。見てろ、ひいひい言わせてやる」
 そう笑ったのも束の間、邦夫は引き締まった表情になった。まずは左の乳房を基点に、利き腕の五指だけで刺激を与えてみる。するとどうだろう。レイプまがいのセックスでは見落としていた朱美の呼気の変化、微妙な発汗、筋肉の動きが感じ取れたのだ。
(へえ、おもしろいけど、なかなか難しいな……)
 右の乳房に移った。同じ刺激にならないように注意しつつ、指先の運びを工夫する。と、邦夫の腕を握る朱美の手に時折力が入った。これはなんのサインかと考えながら、さらに愛撫を続けてゆく。
(よ、よし。これならどうだ?)
 満を持して左の乳房に戻った。乳首には触れず、乳輪にも触れず、その周囲に指先で円を描く。途端に朱美の体がよじれた。縋る手は汗ばみ、り汗ばんだ太腿を擦りつけてくる。
「か、感じてきたのか?」
「ええ、いい調子よ。続けて……」
 邦夫の指が乳輪の縁を回り出した。二度三度と回るうちに、乳首がぴくぴくしこってくるのがわかる。
(ああ、そろそろ乳首にタッチして……。摘まんでもいいのよ。引っ張っても……)
 朱美の肉の声が届いたのか、邦夫が乳首に触れてきた。乳房全体をてのひらで覆い、乳首を乳輪の中に押し込む。そうやって左の乳房をじらしつつ、右の乳房へ唇をつけた。
 邦夫の下唇が乳輪の周りをくるくる回る。何度も執拗に回り、時折舌先を伸ばしては白肌と乳輪の境界に唾を塗り込めた。
(あっ……。これ、いい……)
 唇の回転の輪は徐々に狭まり、乳首を擦るようになった。散々じらされた乳首は痛いほどに勃起し、舐め続けられた乳輪は乳房全体を引っ張るように膨張している。
「はむっ……」
「あっ!」
 邦夫が乳首に吸いついた。吸い出しては唇で挟み、舌先でちろちろと舐めて転がす。
「あ、ひっ……」
 朱美が初めて喘ぎを漏らした。それでも邦夫は気を抜かない。朱美の表情を上目遣いで確かめながら、左の乳房に置いていたてのひらをゆっくり回しす。押し込まれている乳首が、臼に放り込まれた木の実のように転がった。
「はあ……。いいわ……わかるでしょ、乳首立ってるの?」
「ああ、こりこりだ」
「ねえ、吸って、こっちも……」
 声の半分は甘い吐息だ。
「それ、演技か?」
「演技はしないって言ったでしょう……。本当に吸ってもらいたいのよ……。ね、はやく……」
「やだって言ったら?」
「お願いよ。それ、とってもいいの……」
「舐めた後、キスするぞ?」
「いいわ、キスしましょ……」
「舌を入れるぞ?」
「入れて、なんでも入れて……」
「よ、よし。そこまで言うなら、舐めてやる」
 乳首の感触の残るてのひらをどけて、左の乳首を吸い、挟み、たっぷり唾をまぶした。
「はあ……ん。いい、いいわよ……」
 身悶える朱美の乳房がふるふる震える。邦夫は左右の乳首をそれぞれ親指で封をしてから、首筋、喉元へ唇を這わせていった。舐める場所を変える度に、親指の下の乳首は転がされて、ずきずきするほどの快感を与え続けた。
「く、邦夫くん。さっきのあれ、じらしたつもり?」
「あ、みえみえだったか?」
「いいえ、合格よ……。わたし、我慢できずにおねだりしちゃった」
 微笑む唇同士が重なった。邦夫にとっては記念すべきファーストキスだ。舌を絡ませ、唾液を交換し、一度離れてまた重なる。何度かそれを繰り返しているうちに、朱美が耳元で囁いた。
「下も……ね」
「あ、ああ……」
 邦夫は左腕で朱美の肩を抱き、右手を下半身へ滑らせた。たったそれだけの愛撫で、腕の中の朱美はひくひく震えている。じらす側も自制が求められた。邦夫は焦る手を止め、まずは陰毛を撫でさすった。
「はあ……」
 次に尻をまさぐった。
「あふ……」
 臀裂の始まり──渓谷の入り口──に指を置き、沢を登るように指を進めてゆく。肛門のふくらみをわざと迂回して、泉が湧いている膣口も避けて、陰毛がまばらに生えているのり面を進む。
(い、言わせたいのね……。でも、まだ言ってあげない……)
 邦夫の指はそこから谷底を覗き込むように身を乗り出し、あわや落ちそうというところで向かい側に跳び移った。たまらないのか、朱美がひしと身を寄せてくる。邦夫は軽く口づけを交わしてから、いよいよ谷底を目指した。
(ああ、まだよ……。まだ言ってあげない……)
 谷底に降りるには幾重にも連なった肉襞を掻き分けなければならない。濡れて滑りやすい足場を確かめながら、進んだり、戻ったり、尿道口をつついたり……。だが、肝心の場所には近づこうとしなかった。
「あふうっ……」
 朱美が喘いだ。我慢も限界だ。
「な、中も確かめて……。そっとよ……優しく」
 だが、邦夫の指先はそこから立ち去ってしまった。尿道口を飛び越え、陰核包皮のつけ根に着地する。アクメの手前までじらしてやろうとの魂胆だ。
「あ、待って……」
「え?」
「そこは……いいわ。それより中を、ね」
「ああ、一番のお楽しみは最後ってわけだな」
「ち、違うの……」
 朱美の声は打って変わって神妙だ。邦夫はどこで手順を間違えたのか、頭をフルに回転させて考えた。
「あ、やっぱり、痛いのか?」
「違うの。そうじゃないの」
 朱美は左手で邦夫を押し止め、右手をそっと男根に寄せた。
「クリトリスはね、男の子のこれと同じなの……」
「あ、ああ。だから、すごく感じるんだろ?」
「そう、すごく感じるの……。でもね、感じ過ぎてだめなこともあるのよ」
 突如として始まった禅問答に、邦夫は苛立ちを隠せない。だが、朱美が大切なことを伝えようとしているのは、真剣な眼差しを見ればわかる。
「女はね、クリトリス以外でもいけるのよ」
「ああ、それは知ってる。Gスポットだろ?」
「うーん、Gスポットももちろんそうだけど、それだけじゃないのよ。どう言ったらいいのかな……。お腹全体と言うか、体全体と言うか……。うーん、子供を産むための器官、それ全体が震えるって言うか……」
「お、おいおい。それをいまやれっての? おれに? そんなのできるかよ」
 朱美は男根をきゅっと握って、むきになる邦夫を黙らせた。
「できるわ、邦夫くんなら。邦夫くんのこれなら」
「よ、よせよ。こっちが恥ずかしくなる」
「邦夫くんのこれね、夫のとそっくりなの。大きさと形が……。だから当たる場所も同じなのよ……」
「な、なんだよ。いまそんなこと言うなよ。白けるだろ」
 朱美はあくまで真剣だ。男根を握る手にも決意がこもっている。
「最後まで聞きなさい! いい、クリトリスのアクメに訓練は必要ないの。でも、中は違う。開発と言ったら大げさだけど、根気強く訓練を続けることで、中でもいけるようになるのよ。クリトリスでは味わえない、連続するアクメに」
「れ、連続?」
「そう。クリトリスのアクメは男の人の射精と同じで、回復するまで時間がかかるけど、中のアクメは連続していけるのよ」
「な、何回くらい?」
「普通は二、三回かな……。調子がいいと四、五回」
「そ、そんなに? じゃあ、いきっぱなしてやつ?」
「そう。数分間はいきっぱなしよ。でも、きみたち三人が相手なら、もしかするとその倍はいけるかも……」
 邦夫は押し黙った。朱美の真意がわからない。裏があるのかないのか、しばらく考えてから恐るおそる尋ねた。
「そ、そんな秘密を教えていいのかよ。も、もしもだぞ。もし、おれたちがあんたを手放さなかったらどうなる? しょっちゅう呼び出して、セックスを迫ったらどうするつもりだ?」
 朱美は動じるどころか、柔らかな笑みを浮かべた。
「信じてるもの、きみたちを」
「ど、どうして?」
「あなたたちに抱かれたから」
「そ、それでなにがわかるんだよ」
「優しくしてくれたじゃない」
 さもそれが当たり前のように、朱美は言い切った。その瞳は中学生の邦夫が心配になるほどに、透明で真っ直ぐだ。
「お、おれは別に優しくなんか……。でも恩に着るよ。これでいい想い出が作れそうだ」
「あ、いま恩に着るって言ったわね?」
「え? あ、言ったけど……」
「じゃあ、女の子には優しくするって約束してくれる? これからもずっと……」
 際どい話題だった。だが、朱美は邦夫の弱点を突いているのではない。ただ、切にそう願っているだけなのだ。邦夫はそう理解して、頷いた。
「ああ、約束する」
 礼には礼で返す。中学生なりの矜持だった。
「じゃあ、始めましょうか。みんなを起こさないと……」

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